できるだけ早く乾燥させるためにも水から取り出した標本は斜めに立てかけたスノコ板に置いて水切りを行います。スノコ板の角度は海藻がずり落ちない程度にし、スノコ板に置く時は台紙の角が下にくるように少し斜めに置くと効率よく水切りできます。

乾かせ過ぎると台紙や海藻が縮んでシワが出来てしまうので、5分くらいを目安にし、自然と流れて落ちる水が出なくなったのが確認できたら次の工程に移りましょう。

    

スノコ板で水切りをした標本を台紙に貼り付けて完全に乾燥させるために重石を乗せて押しつけながら乾燥させます。

乾燥は左の図のように下から、[段ボール]→[吸水紙]→[標本]→[布]→[吸水紙]→[段ボール]と順番に重ねて1セットになり、標本を全部挟み終わるまで同じ順番で何層にも積み重ねていきます。

標本の上に布を乗せるのは海藻標本の特徴です。これは、海藻自体に乾くと固まるノリ成分を持っているためで、布をはさむことで海藻が上側の吸水紙に貼り付くのを防いでいます。

  

あまり高く積み上がるようでしたら、途中で一枚木の板(中板)を挟むと安定します。
あと、いつも同じ向きに海藻を並べているとバランスが悪くなるので
海藻を置く方向を変えながら全体的にまっすぐ積み上がるようにしてください。
また、 布や吸水紙を乗せる時に段ボールからはみ出して
扇風機のある側の段ボールの穴をふさがないように注意してください。

最後の押し葉標本を挟み段ボールまでを乗せたら
一番上に木の板を乗せ、おもしを置きます。
この時にグラグラするようでしたらキッチリと直しておかないと
乾燥中におもしが落ちたりして危ないので気をつけましょう。
バランス良く安定したなら段ボールの穴に風を通す様に扇風機で送風して準備完了。
あとは1~2日くらいそのまま放置しておくだけです。

1~2日送風したらゆっくりと布をはがしてみて乾燥の状態を確かめ
まだ湿っているようでしたらもうしばらく乾燥させます。
乾燥が終了しているようだったら押し葉標本をていねいに取り出して標本完成!!

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だいたい以上のような手順で海藻標本は作られています。
このサイト以外にもいろいろなサイトや本で海藻作りのコツなどを紹介していますので
検索してみて自分なりの海藻標本の作り方を見つけてみてください。

それではまた次回お会いしましょう!ばいばい。


次回:難易度高めだけどカッコイイ標本作り
    
制作:千葉大学海洋バイオシステム研究センター銚子実験場