それでは、実際に押し葉標本をつくっていきましょう!

・採ってきた海藻には砂やゴミなどがたくさん付いているので
水道水で洗い流したり水を張ったバットに浮かべて
細かい所までチェックしながらクリーニングしましょう。

・採集してきた海藻はバットに一気に入れずに
少しずつ海藻を確実に洗って水が汚れたら入れ替えましょう。
また、何個か海藻を洗った水は見た目が綺麗でも
塩分が溶け出していたりするので定期的に交換するようにしましょう。

・海藻のクリーニングと共に『塩抜き』作業をします。

『塩抜き』とは
    
  海藻は塩分を含んでおり、塩抜きが不完全の状態で標本にすると、台紙や標本自体を痛めたり、一度乾燥を終えた後でも結晶として残った塩分が空気中の水分を再び吸ってカビの発生源となります。そのような状況にならないように海藻を真水の中に入れ塩分を抜く作業の事を『塩抜き』といいます。

塩抜きですが、薄く柔らかい物であれば3~5分程度、厚く固い物であれば10~15分程度を目安にしますが、ホンダワラやミルの仲間などは1晩真水に浸けておいても塩が抜けきらない事があり、そのような種類には熱湯をかける処理する事で短時間の塩抜きが出来るようになります。また、種類によっては真水に非常に弱いものもあり、すぐに変色したりボロボロと崩れはじめるものもありますので、塩抜きの時には海藻の様子を注意深くみていましょう。

   


紙を水に浸けちゃうってのはビックリだよね♪   .
    

バットにきれいな真水を深めにはり、水の中に下敷き・台紙を沈めてその上にゴミ取りや塩抜きが終わった海藻を置き、ピンセットなどを使って全体の形を整えます。台紙からはみ出してしまう部分はハサミで切り落としたり、綺麗に折り曲げて台紙に収まるようにしましょう。また、余計な部分を切り落とすのは美しさのためだけでなく海藻が重なりすぎて乾燥が不十分になってしまうのを防ぐ意味がありますよ。

また、固い海藻や非常に単純な海藻などの場合には必ずしも水の中で整える必要もありません。その場合、海藻は塩抜き処理まで行い、十分水に濡らした台紙を用意して次の手順3のように水の上の台紙に直接並べても構いません。



全体の配置を整えたら下敷きと台紙を押さえ斜めにしながらゆっくりと水中から抜き出すようにひき上げます。
つるつるとして柔らかいものや繊細な枝などはせっかく綺麗に並べたのに形が崩れてしまいがちですが
それは仕方ないのでできるだけ修正しやすい状態でひき上げて下さい。

・水からひき上げたら作業しやすい所に下敷きごと置き、形が崩れたところを修正したり、水中では気付かなかったゴミや切れ端が混ざってないかチェックします。この最終調整で出来上がりの美しさに大きな差が出るので気合い入れましょう!


    
制作:千葉大学海洋バイオシステム研究センター銚子実験場