からだは始め中肋を持つ一枚の単状の葉状体であるが,中肋より二次葉を発出し,同様に二次葉より三次葉,三次葉より四次葉を出して樹枝状になる。生長すると,一次葉では翼葉が脱落して中肋のみとなり,枝として機能しているようにみえる。近縁のヘラヤハズも同様の構造をするが,本種の方が葉が広く,薄いので区別できる。円錐盤状の付着器付近は短毛が密生し,下部の体表面にも短毛が密生する。また,付着器で繋がった複数の個体が確認されることから,栄養繁殖しているものと考えられる(ヘラヤハズより少ない)。顕微鏡で観察すると,からだの先端には生長点細胞が一列に並ぶ。細胞層を見ると皮層には球形〜四角形の細胞が並び,髄層には無色の細胞がやや規則性を持って並ぶ。手触りはややセルロイド質で,中肋部は硬い軸状。生体は濃褐色だが,空気にさらすとすぐに枯死し始め,枯死した部分は緑がかった淡褐色に変色し,硫酸を放出し崩れる。このため,ヘラヤハズやウルシグサなどと同様に採集時には他の海藻と分けておき,海水に浸した状態で持ち帰る必要がある。押し葉標本は台紙につきにくい。
高さ:15〜30cm |