(生態写真2)
からだは始め中肋を持つ一枚の単状の葉状体であるが,中肋より二次葉を発出し,同様に二次葉より三次葉,三次葉より四次葉を出して樹枝状になる。生長すると,一次葉では翼葉が脱落して中肋のみとなり,枝として機能しているようにみえる。近縁のヤハズグサも同様の構造をするが,本種の方が葉が細く,厚みがあるので区別できる。円錐盤状の付着器付近は短毛が密生し,下部の体表面にも短毛が密生する。また,付着器で繋がった複数の個体が確認されることから頻繁に栄養繁殖しているものと考えられる。顕微鏡で観察すると,からだの先端には生長点細胞が一列に並ぶ。皮層には色素体を持つ楕円形から長楕円形の小さな細胞が1〜2層みられる。髄層は,辺縁部では無色のやや大形の細胞が4〜6層並び中肋部ではやや小さな細胞が10〜15層並ぶ。手触りはやや硬いセルロイド質。生体は緑がかった濃褐色〜黄褐色。押し葉標本にすると台紙につかず,黒みがかった暗色になる。
高さ:10〜40cm