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#4 簡易ミクロトームを試作してみた。 |
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って事で、お金持ちの教官達は「ミクロトーム」っていう極薄の切片を作れる機械をもってたりするのだが、研究費ももらえない貧乏技術職員のオイラは自分でミクロトームを作るしかないのであった。 ということで、いろいろ空想しながら集めた今回の材料はおおよそ下の写真の通り。
リューターとアロンアルファとカッターはもともとあった工具。ピンバイスとパイプカッターはダイソーで買ってきた。シリンジは職場が職場なので容易にあるのだが、買うなら理科用品を売ってる店でネットで買える。シリンジは最低でも2本は必要。マイクロメーターが今回の一番の心臓部。シグマ光機ってところのSHN2−25ってやつを購入。ワッシャーは工具箱の中に転がってたヤツを使った。 写真以外にもいくつか道具とか出てくるがそれは追々。以下、工作開始。 ---------- まずはシリンジの先端を切り落とす所から。 まずはシリンジを1周するように浅い溝を付けてからカッターで切り落としたのだが、パイプカッターを使って溝を付けると溝が斜めの切り口になったり1周したときにずれてたりしないので便利です。すごく器用な人は心眼を使ってカッターだけで切り落としてもいいと思う。 切り口に押し当てるようにしてマイクロメーターをねじ込んでいくんだけど、最初、左の写真のようにマイクロメーターに付属していたワッシャーを押し当てるようにしてそのままねじ込む事で切断面に対して直角なねじ山を作ったら、一度抜いてワッシャーをはずして、もう一度丁寧にねじ込む事で綺麗なねじ込み口ができた。 次にワッシャーの内部を削りピストンがちょうど通る位の大きさに削った。目安としては少し引っかかるけど強めに押すと通るくらいの大きさ。正しくは後で出てくるけど「ピス」の直径とほぼ同じ大きさです。 ピストンの先っちょのゴムを外したらマイクロメーターを付けたシリンジに通常の逆向きで押し込みましょう。 ピンバイスでねじ山のすぐ上の所に小さな穴を貫通させたら シリンジに突っ込んだゴムを奥まで押し込んでからマイクロメーターを目一杯まで伸ばす。伸ばした状態の時のゴムの直前にもう一つピンバイスで穴を開けておく。 ここまで作ったら次はピス製造シリンジとピスの作成をする。と言っても作業は簡単。 シリンジの後ろの部分をよく見るとピストンが抜けにくくするように肉厚の部分があるので、それをザックリと切り落とすだけなんだけどね。 次はピスを作るのだが、ピスって言うのは小学校の理科で切片を作る時に使った「ニワトコ」の事なのだが、今のゆとり教育では理科で切片を作るって事をしてないかもしれないな。知らない人はウィキペディアで調べて。それでも分からなければ切片作りに向いてない人だと思う。 で、ピスを作るのだが、今回はせっかくの海藻サイトなので寒天をピス代わりにしてみようと思った。
粉寒天をよく溶かしたら、先ほど作ったピス製造シリンジで適当に吸い上げて 冷やして固めたものを抜き出せばピスの完成。抜き出す時に上手く抜けなかったらピストンを抜いた後にシリンジの細い吸い込み口から息をプッっと吹き込めばニュルンって出てくる。 ここまでくればほぼ完成したも同然。 まずは、先に作っておいたワッシャーに寒天が傷つかずにちょうどよい感じで通るか微調整しながら確認。 ワッシャーを付けたままの寒天を簡易ミクロトームに丁寧に差し込む。 マイクロメーターを縮めてからピスを深めに差し込みワッシャーをシリンジの縁まで押し当てたら接着剤を流し込んでワッシャーとシリンジを固定する。 寒天ピスをぶっさしたまま接着剤が固まるのを待って、完全に固まったらピスを引っこ抜けば完成。 銚子式簡易ミクロトーム1号 と ピス製造器が完成。うーん、それっぽいぞ! ----------- 使い方としてはこんな感じ↓。
マイクロメーターを縮めてからピスを差し込み、ゴムを押し込みながら奥まで差し込む。 これで一応切片は作れたのだが、まだまだ改良していかなければならない所はあるね。
・・・・っていうか、結局手で切った方が早いんじゃね?ってのが一番の感想というのはここだけの話。 |
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