アラメ | 海藻インターネット写真図鑑 コンブ目 コンブ科 |
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Laminariales Laminariaceae | ||
Eisenia bicyclis (Kjellman) Setchell |
からだは二叉に別れた長い茎の先に多くの葉をつけ,言わば2本の“はたき”の状である。異型世代交代(普通に目にするのは巨視的な胞子体であり,配偶体は数mmの微視的な糸状体である)を行い,はたきの様な体(胞子体)は多年生で,3〜8年の寿命があるという。夏から秋にかけて成熟し,多数の遊走子を放出する。遊走子は発芽して雌雄の微視的な糸状体(配偶体)となり,それらの卵・精子が受精して元の藻体(胞子体)となる。3月頃に発芽した1年目の藻体は,短い茎に笹の葉状の中央葉を付け,生長するとその両縁に数枚の側葉を羽状に付けるが,秋には中央葉の末枯れが起こる。2年目からは茎の先が二叉に分岐し,それぞれの分叉枝の先からたくさんの側葉を出す。茎状部は1〜2mになる。本種は潮間帯の下部から潮下帯の岩礁上に密な群落を形成し,その群落はアラメ場や海中林などと呼ばれ,魚介類の産卵・発育の場になっている。 アラメや近縁のサガラメの葉部は日本各地で古くから食用とされており,また藻体から抽出されるアルギン酸はいわゆる増粘性多糖類であり,安定剤として食品添加物として利用されてきた。和名のアラメはワカメ(若布)より荒い感じがする「荒布」からきている。 銚子の漁業関係者はアラメのことを”かじめ”と呼んでおり,茨城県の大洗海岸でも同様である。アラメの近縁種にもカジメという海藻がおり,それは茎の先が二叉に分かれない種類である。アラメとカジメが同所的に生える場合,垂直的にはアラメがカジメより浅いところに生育し,水平的にはアラメはカジメの生育していない北方域まで分布している。カジメは大原市沿岸には普通に生育しているが,銚子では見られないので,九十九里海岸のどこかでカジメの分布北限があると思われる。文献上のカジメの分布域は大洗までとされている。 高さ:1〜2m |
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『海藻海草標本図鑑』 | |
制作:千葉大学海洋バイオシステム研究センター 銚子実験場 HP | |
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