(生態写真2)
からだは仮根部,柄(茎状部),カサ(傘状部)からなり,細長い円筒状の柄の上に,放射状に筋のある中央が浅くくぼんだ皿のような円盤状の傘状部がのったような,皿回しの皿と棒を連想させる形態で,何本も叢生する。成熟するとカサは,多くの配偶子を詰めた球状の包嚢をさらにたくさん詰めた袋状のもの(子嚢)が54〜59個並んだ構造となる。カサノリの仲間としては大型で,日本固有種である。巨大な単細胞生物であり,カサの除去実験や柄の接ぎ木実験は有名である。カサは柔らかい手触りであるが石灰質が沈着した柄は多少カサカサしている。生体の傘状部は黄緑色から鮮緑色であるが,柄は石灰質を沈着して白い。
属名Acetabulariaはラテン語の「acetum(酢)+abrum(支持台・入れ物)の縮小形abulum」からできた「acetabulum(酢を入れる小さな容器=皿)」に由来する。種小名ryukyuensisは,タイプ産地である琉球にちなむ。
大きさ:4〜8cm 頂部の直径:1〜1.5cm