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銚子に生育する海藻・海草
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アナアオサ 海藻写真リスト
アオサ目 アオサ科
Ulvales Ulvaceae
Ulva pertusa Kjellman
生育場所
アナアオサ 生態写真
生育 場所
潮間帯中部から低潮線付近
分   布
日本各地
タイプ産地
函館,江ノ島,横浜
アナアオサ 生標本写真
(生標本写真)
アナアオサ 生標本写真2
(生標本写真2)
アナアオサ 表面観写真
(表面観写真)
アナアオサ 横断切片拡大写真
(横断切片拡大写真)
アナアオサ 横断切片拡大写真2
(横断切片拡大写真2)
アナアオサ 縦断切片拡大写真
(基部縦断切片拡大写真)
アナアオサ 生標本写真3
(生標本写真3)
からだは膜状で,円形から楕円形。からだには大小の穴が空き,和名はこれに由来する。藻体の縁辺部に顕微鏡的鋸歯はない。細胞層は2層で,上部より下部の細胞がやや長く大きくなる。また,基部付近には2層の細胞の間に糸状根につながる細長い細胞が見られる。一年を通して観察されるが,銚子で優占する時期は初春から夏にかけてである。手触りは柔らかく,触るとカサカサとレジ袋の様である。生体は鮮緑色〜黄緑色。押し葉標本は台紙につきにくい。同型世代交代を行ない,胞子体(2n)と配偶体(n)は同形同大で,肉眼的に見分けがつかない。

属名のUlvaは女性名詞で,ケルト語の水(ul)に由来する。種小名「pertusa」は女性形で,孔(あな)の空いた,隙間(すきま)のある」の意味。

アナアオサは銚子では主に潮間帯中部の岩上などに着生しているが,東京湾をはじめ日本各地の内湾域では水深5mまでの潮下帯浅部で(波浪による断片化の結果として)浮遊生活を行なうものもある。浮遊生活をしているものはアナアオサだけではなく,アオサ属の数種類があり,多くの場合,同様の形態をしているため,種の判別はすこぶる難しい。時にこれらが内湾域の海水浴場などの砂浜に大量に打ち上げられ,その様子はグリーンタイドとも呼ばれるが,その処理が社会問題となることがある。三河湾ではアナアオサが採集され,乾燥粉末に加工されている。鮮やかな緑色をした乾燥粉末は「新青のり」という名で販売されており,また,香りの良いスジアオノリと混ぜて食用にされる。

大きさ:10〜30cm


*アナアオサのすべての写真はクリックすると大きな画像が見られます。
写真 採集日 採集地 採集・撮影者 備考
生態写真 2003/4/18 千葉県銚子市外川 羽賀・羽賀  
生標本写真 2003/4/18 千葉県銚子市外川 羽賀・羽賀  
生標本写真2 2005/5/25 千葉県銚子市犬吠埼 羽賀・羽賀  
表面観写真 2005/5/25 千葉県銚子市犬吠埼 羽賀・羽賀 400倍
横断切片拡大写真 2005/5/25 千葉県銚子市犬吠埼 羽賀・羽賀 400倍・葉部上部
横断切片拡大写真2 2005/5/25 千葉県銚子市犬吠埼 羽賀・羽賀 400倍・葉部下部
基部縦断切片拡大写真 2005/5/25 千葉県銚子市犬吠埼 羽賀・羽賀 400倍・基部付近
生標本写真3 2006/5/28 千葉県南房総市 羽賀・羽賀  

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『海藻海草標本図鑑』
制作:千葉大学海洋バイオシステム研究センター 銚子実験場 HP
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